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2008年2月26日 (火)

「最終兵器」ユウジ その2 (-。 -; )

A029ani

その後も私のユウジに対する特訓は続き、その特訓の効果が徐々にあがっていたある日のこと
彼からバイト先に意外な電話が入ったのであります。
「ねぇ、明日はバイト休みでしょう?俺の部屋で一緒に飲もうよ。ふふふ…」
何やら嬉しそうに話す彼に私は一抹の不安を抱いたのでふ。
「いいけど…お前、何かいやらしいこと考えてんじゃない?」
「違うよ!俺もかなり酒に強くなったしさ…それに…ちょっと会わせたい人もいるし…」
「なに?!まさかお前、彼女とか出来たんか?」
「ふふふ…まぁね。今度の彼女けっこう可愛いんだ」
「なるほどね。そう言うことか…」
どうやら彼は私と彼女に自分が酒に強くなったことを自慢したかったらしいのでふ。

そして、私は翌日、彼の部屋へと向かったのでふ。
バイト先の店から勝手にいただいた高級シャンパンと安物のジンを祝杯用に持参しながら…
「さぁ、入って!彼女紹介するからさ!」
ユウジの今度の彼女は彼の言うように、なかなかの美人で短大の1年生ということでした。
彼女の持参した手料理をつまみながら、私たちは高級シャンパンで乾杯したのでふ。
しかし、普段「ウォッカ」を飲んでいる私のような者にとって、「シャンパン」なんぞという代物は
サイダーかスプライトに毛が生えたようなもんで、酒とは認めることが出来なかったのでふ…
「お前と彼女はまだおこちゃまだから、二人でシャンパンでも飲んでなさい。んでね、悪いけど
私は大人だからちゃんとしたお酒を飲むことにいたしますわ」
 私はそう言って自分用にと持ってきたジンを勝手に飲みだしたのでした。
1時間ほど経過した頃でした。ユウジの彼女はほんのりと頬を赤く染めながら大学のゼミの話なんぞを
楽しげに話しておったと思います。
(ん~ん、この娘なかなか可愛いな…ユウジにはもったいない…)
 私が大きな眸で明るく話す彼女を見ながら不謹慎にもそんなことを考えていた時でした。
「よ~し、俺も「大人の飲み物」を飲むぞ!シャンパンなんかおこちゃまの飲み物だ!
さぁ、俺にもジンをついでくれ!」
すでにシャンパンで酔っぱらっているユウジが突然叫んだのでふ。
「お前、やめておきなさい。彼女の前だからって、そんなに頑張るこたぁないって…」
「そうよ。もうじゅうぶん酔ってるじゃない。それ以上飲んだら…」
「うるへ~ぇ!俺は飲む!飲むったら飲むんだ~ぁ!」
彼は私の手からジンをひったくると、私のマネをしてボトルから直接飲み始めたのでありまふ。
(ごく…ごく… ご… ごっ! )
突然、彼の動きが止まり、静寂が部屋を包み込んだのでありまふ…
そのとき我々が共有した静寂。あの緊迫した沈黙の長さを私はいまだに忘れることが出来まへん。
なんともイヤ~なあの雰囲気…
彼はビンに口をつけたまま、電池切れのロボットのように固まったままです…
「やっ…ヤバイよ。君、ちょっと避難した方がいいかも…」
私が彼女にそう言いかけた時です。 ユウジの手からジンのボトルが滑り落ちました。
「うぅっ…ん~! ん~!」
 彼は両手で口を押さえ苦しそうな声を発したのでふ。
「まっ、待て!そこで吐くな!今、ゴミ箱を持ってくるから、ちょっと我慢していろ!」
 ユウジは(もう、待てない!)といういう表情で必死で首を振りました。
「わかった!わかったから、おとなしくしててくれ!」
 泥酔したユウジがすでに正気を失っていることは、私にも泣きそうな眸で彼を見上げている彼女にも
一目瞭然でした。
そして、イヤイヤをするときの子供のように狂ったように首を振り続ける彼の目が徐々に白目に
なっていったのでありまふ。(オカルトだ… まるでエクソシストだ…)
「君、早く逃げるんだ!早く…あっ!」

ドブブブブブブ~ゥ!

 遅かった… そうです、もう遅かったのでふ…

首を振り続ける彼の口から機関銃のようにゲロが連射されてしまったのでふ。
すでに正気を失っていたユウジは制御不能の殺人マシーンと化していたのでふ…

そして、その最も大きな被害をこうむったのは逃げ遅れた彼女でありました。
ユウジの口から乱射されるシャンパンとジンと胃液で溶けた鶏の唐揚をふんだんに含んだ
酸っぱい臭いのする液体を彼女は全身で受け止めてしまったのでふ…

その後のことを私はこれ以上書くことは出来ません…

これが長い間、彼と私の間で極秘扱いとされていた
   伝説の「機関銃ゲロ事件」の真相なのでありまふ…

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